モン族の若者たちのお正月

モン(Hmong)族

お正月に帰省した若者たち

 いつもは静かな山奥のモン(Hmong)族の村も、お正月の間は、若者たちが村に戻り、にぎやかになります。

 町から離れた山の上の村で生活するモン族の人たちは、通勤通学が不便なため、町に下りて生活していることが多くなってきています。そんな中でも、モン族のお正月の期間だけは故郷の村に戻り、親戚、友だち、みんなで誘い合って「まり投げ」に参加したりします。

モン族の「まり投げ」

 昔は、「まり投げ」は、深い山々に隔たれたモン(Hmong)族の村同士で、若い男女が出逢う場としての役割が大きなものでした。しかし、今は交通の便もよくなり、村と村、村と町との行き来も、それほど大変ではなくなり、ある程度の年齢になると、町を出ていくことも多くなってくると、昔ながらの役割はなくなってしまったかもしれません。

 それでも、久しぶりの友だちとの再会を楽しむ場として、みな楽しそうに「まり投げ」に興じていました。

モン(Hmong)族のお正月_まり投げ 織り人(Orijin)

変化する民族衣装

 最近の若者たちも、新年の間は、普段は着る機会の少なくなったモン(Hmong)族の民族衣装を身にまとい出かけていきます。

 どの国や地域でも同じですが、既製品の洋服を着ることが多くなってくると、民族衣装を着る機会は、新年のお祭りや儀式の時などだけになっていきます。それでも、逆に、着る機会が少なくなっているからこそ、この時とばかりに、とびっきりのおしゃれをしていきます。

 民族衣装のスタイルも、時代と共に変化をしていくものです。よりきらびやかになり、スカート丈も短くなったり、より高いヒールの靴を履いて…、今どきの、今流行りのモン族の民族衣装のスタイルを競い合います。

*写真はすべて筆者撮影(2017年12月23日撮影)タイ北部のモン(Hmong)族の村にて。

厚底のハイヒールで「まり投げ」に興じるモンの若者たち