モン族の迷路柄のリバースアップリケ

リバースアップリケ

熟練の技が必要な迷路柄のアップリケ

モン(Hmong)族のアップリケの文様には、きゅうりの種や葉っぱ、象の足跡や蜘蛛の巣から考えられたものなど、自然や身の回りの身近なものをモチーフにした具象的なデザインが数多くあります。その中に、幾何学模様のものもいくつかありますが、特に、迷路柄の文様は、タイの難民キャンプでよく作られており、難民キャンプでの生活を経験した人の中には、この模様を得意とする人も多くいます。

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モン族のアップリケは、「リバースアップリケ」と呼ばれ、小さく切った布を縫い付けていくのではなく、何枚か重ねた布の上の布に切れ目を入れ、内側に折り込み、細かくまつり縫いし、下の布の色を出すことで文様を作っていく技法です。

曲線の部分も難しいですが、直線ばかりの迷路柄は、線が曲がってしまったり、縫い目が歪んでしまったりすると、その部分がともて目立ってしまうため、つくり手さんの技量がはっきりと出てしまう文様なので、アップリケはできるけれども、迷路柄のアップリケは作れない、という人もいます。

モン族のアップリケ_織り人 width=

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迷路柄は仮留めも大変

余分な布をくるくると巻き、左手で持ちながら右手の針先で上の布を内側に折り込み、そのまわりを縫っていきます。

縫い始める前の切り込みを入れた上の布を下の布の仮縫いする作業も、この迷路柄の場合、とても大変です。真っ直ぐと歪まないよう配置させ、くるくると巻いた時にずれてしまわないよう、上からしっかり仮留めしてから縫っていきます。

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