モン族の麻の茎干し

麻布と藍染め

麻の刈り入れ後の作業

 以前は、モン(Hmong)族の人たちは、家のまわりで麻を育て、自分たちの民族衣装は自分たちで育てた麻からつくっていましたが、最近では、麻づくりをしている村も少なくなってきました。

 そんな中、まだ麻栽培をしている村があると聞き、タイ北西部のモン族の村へ麻の刈り入れの様子を見に行かせてもらいました。

 麻の刈り入れ作業だけでも、かなりの重労働ですが、麻布づくりはまだまだここからが大変な手間と時間がかかるのです。

モン(Hmong)族の麻糸づくり_織り人(Orijin)

刈り入れた麻は、畑で葉を全部落とし、家に運んできます。それから、同じくらいの太さと長さのものとを選り分けて、改めて束ねていきます。

 それぞれの束を日なたに寝かせて、乾燥させます。

モン(Hmong)族の麻糸づくり_織り人(Orijin)

モン(Hmong)族の麻糸づくり_織り人(Orijin)

 日なたで乾燥させながら、茎の端をきれいに切りそろえます。

モン(Hmong)族の麻糸づくり_織り人(Orijin)

モン(Hmong)族の麻糸づくり_織り人(Orijin)

麻の茎干し作業

 ある程度、乾燥してきたら、家のまわりに立てかけて、数週間から1ヵ月ほどかけてしっかりと乾燥させていきます。
*下の写真は、別の日の写真です。

 この日は、夕方頃に小雨が降りだし、みなで急いで軒下に運び込みました。乾燥させている間は、水に濡れないようにすることが大切で、特に、雨に注意しながら、じっくりと時間をかけて乾燥させていきます。

 ここまでで、麻布のもととなる素材づくりのための準備が終わったところです。この後、一本一本皮をはぎ繊維を採り、より合わせて長い糸をつくり、それでやっと機織りを始めることができるのです。

 麻布は、麻の栽培から織り上がるまで、一年がかりの本当に長い時間をかけてつくられていくのです。

モン(Hmong)族の麻糸づくり_織り人(Orijin)

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