踊り明かすリス族の新年のお祭り

リス(Lisu)族

 リス族のお正月のお祭りは、数日間(およそ3日間)、歌と踊りが続きます。男性も女性も一緒に、音楽に合わせて、輪になって、歌い、踊り続けます。

リス族の新年のお祭り

リス族の新年のお祭り

 村の中にある広場に、徐々に村人が集まり始めると、男性陣がリス族の伝統楽器(笙や二胡のような楽器)を弾きはじめ、それに合わせて、皆が広場で、歌いながら踊りはじめるのです。

リス族の新年のお祭り

リス族の新年のお祭り

 女性たちの民族衣装の特徴は、大きな帽子と、腰の後ろからさげたぼんぼんの付いた赤い紐の束です。リス語で、”馬のしっぽ”と呼ばれるこの紐の束をふりながら踊ります。

リス族の新年のお祭り

 一度音楽が鳴りだすと、歌と踊りは延々と続きます。ひと踊りした人たちが、広場のすぐ隣りに設けられたテーブルで食事をして、食事が終わるとまた踊りの輪に加わり、踊り手たちは入れ替わりながら、数人だけになったりしながら、ずっと続いていくのです。

 踊りの輪のまわりには、観覧席?が設けられおり、踊りに疲れると、椅子に座ってひと休みして、また踊りの輪に加わっていきます。

リス族の新年のお祭り

 踊りが続いていくと、ペットボトルに入ったお酒を持ってまわる女性があらわれ、踊っている人たちに、すすめていきます。すすめられた人たちは、もう相当飲んでいる様子で、いろいろと理由を言って断ろうとしていますが、すすめる人も、ちょっとやそっとではあきらめる様子はありません。そんなやりとりが、踊りの合い間に見られます。

リス族の新年のお祭り

 私が見学させてもらっていたのは、朝からお昼すぎくらいまでで、参加していたのは、ほとんどが女性たちでしたが、踊りの輪には男性も女性も関係なく加わり、手をとり合って踊ります。

 子どもたちの姿が、ほとんど見られなかったので尋ねてみると、昨日の夜遅くまで踊っていたので、まだみんな寝ているのだと。

 男性たちが少ないのも、おそらく前の日に夜遅くまで、というか明け方までお酒を飲み続け踊っていたためだと思われます。
きっと、夕方頃にまた集まりだし、次の日の朝まで、音楽にあわせ踊り、飲み明かしていくのでしょう…。

リス族の新年のお祭り

リス族の新年のお祭り

 最近のタイでは、観光客や外国人でも開催情報を知ることができるような山岳(少数)民族のお祭りには、大きなステージが設けられ、スケジュールごとに、歌や踊りが披露されたり、ミスコンテストなどが開催されたり、かなりイベント的な感じになってしまっているところが多くなってきています。

 そんな中今でも、伝統楽器の音楽に合わせて、ただただ踊り続ける”小さな村のふつうのお祭り”が、こうして開かれていることに、”あぁまだタイにも、こんなお祭りが残っているのだなぁ”と、嬉しく満足し、お礼を言って会場を後にしました。

リス族の新年のお祭り

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