モン族の少女 パオの物語

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先日、「モン族の少女 パオの物語」というDVDを観ました。

以前、アジア映画祭だったか、ミニシアターだったかで観た映画で、また観たいと、その時のチラシをずっと大事に持っていました。
去年、ベトナム映画祭で上映されたのですが、それを見逃してしまい、DVDで観ることにしました。

このDVDが発売されたのが2008年なので、初めて観たのは、もう10年以上も前のことでした…。
その頃は、モン(Hmong)族の文化や慣習を、本などで学んだような、表面的なことしか知らなかったので、正直なところ、内容をあまり深く理解することができずにいました。

モン族の少女パオは、父親、弟、育ての母親と、ベトナム北部の村に暮らしていました。
パオの実の母親は、子どもができなかったために迎え入れられた女性でしたが、パオと弟を産むと姿を消してしまい、育ての母親もまた、子どもたちが大きくなると家を出て行ってしまうのです。
そして、パオは、体調を崩した父親のために、実の母親を探す旅に出るというものです。

この複雑な人間関係と、それぞれの心の葛藤が、あまりに繊細で、初めて観た時は、うまく理解しきれなかったのですが、モンの人たちとある程度の時間を共にした今は、少しわかるようになった気がしています。

ベトナムでもタイでも、一夫多妻は認められていませんが、モン族の人たちはもともと一夫多妻の慣習があり、今現在でもそれは残っています。
『織り人(Orijin)』でお世話になっている家族でも、いわゆる第2夫人の立場の女性もおり、それぞれの家族で、さまざまな事情があるということを感じています。

この映画のような事情もよく耳にしますし、ラオス難民だった女性からは、避難してくる間に夫と離れてしまい、難民キャンプで小さな子を抱えて一人ではとても生きていけない、という事情から、第2夫人として生きる道を選ばざるを得なかったという話を聞きました。

一夫多妻制度という文化があるからといって、皆がそれを納得して受け入れ、うまくやれているわけではなく、それぞれが複雑な想いを抱え、心の中で葛藤しながら、生きていくために選んだ道であり、そういう人たちを支えていくために必要な制度だったという一面もあったのだと思うのです。

実話を基にした映画ということなのですが、こうしたストーリーは、モン族の家族の中には、本当にたくさんあります。
民族文化のきれいな部分だけを取り上げるのではなく、モン族として生きるということがどういうことなのかということを少し理解させてくれる映画でした。
そして、モン族だからというだけでなく、人間の普遍的なストーリーでもあると思うのです。

モン族の文化に関心のある方は、一度ご覧いただくと、より理解が深まるかもしれません。
シアター「イメージフォーラム」の「モン族の少女 パオの物語」の紹介ページです。
映画の予告映像やインタビュー、モン族についての説明などご覧いただけます。

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*本記事のアイキャッチ画像は、フリー写真素材サイトPixabayより利用させていただいています。