モン族の「お正月」と「まり投げ」

モン(Hmong)族

 

モン(Hmong)族のお正月

モン(Hmong)族の人たちにとって、一年のうちで大切な行事のひとつであり、大人も子どもも、みんなが楽しみにしているお正月。
*モン語でノーページャオ。

モン族の新年は、新米の収穫後の新月の日とされており、今年(2019年)であれば、12月7日にあたります。
暦通りであれば、、7日の夜に、各家庭で先祖の魂を呼びよせ、お札を燃やして儀式をおこないます。
そして、翌日8日から様々なお祭り行事が開かれ、民族衣装を着て出かけていきます。

しかしながら、現在では休みを合わせ、暦通りの日にお正月の行事をおこなうことが難しくなってきています。
最近では、村の長老や村長たちが話し合って日にちを決めていくため、村や地域によって開催時期が異なります。
12月から翌年の2月くらいまでの間に、長いところでは2週間ほど続くところもあるようですが、多くは5日~7日ほどの間、お正月の行事をおこないます。

村によっては、12月になってもなかなか日程が決まらないこともありますが、最近では、職場や学校の年末年始のお休みに合わせて、12月末から1月の初めに執り行われるところが増えています。

モン(Hmong)族のお正月_まり投げ 織り人(Orijin)

 

モン(Hmong)族の「まり投げ」

モン(Hmong)族のお正月といえば、伝統的な「まり投げ」があります。

昔は、険しい山々に囲まれたモン族の村の男女が出逢う場として、重要な意味を持っていました。
しかし、これだけ情報や機会にあふれている現在では、そうした意味合いは少し薄れてきているのかもしれません。

以前は、既婚女性は参加することができなかったり、女性同士でやることもありませんでしたが、今では、誰でもが参加することができ、みんなで楽しむお正月の行事のひとつとなってきています。

モン(Hmong)族のお正月_まり投げ 織り人(Orijin)

 

通常は、男性と女性が向かい合って二列に並び、”まり”を投げ合いますが、私が訪れた村では、参加していたのは、ほとんどが女性で、女性同士が向かい合い、”まり”を投げ合っていました。

その”まり”も、以前は、毛糸や布などで手づくりされていましたが、今ではテニスボールを使っているところが多いようです。

日陰のない広場でおこなわれることが多いため、日傘(雨傘)を片手にやるのがモン(Hmong)族の”まり投げ”のスタイルです。
”まり”を投げたり、受け取ったりするのも、片手でおこなうので、慣れないと長く続けるのはなかなか難しいです。

モン(Hmong)族のお正月_まり投げ 織り人(Orijin)

モン(Hmong)族のお正月_まり投げ 織り人(Orijin)

 

モン(Hmong)族の女性たちは、民族衣装できれいに着飾り「まり投げ」に参加します。

昔は、次の新年に備え、麻を育て、糸を紡ぎ、機織りをして、刺繍して・・・、一年かけて民族衣装を準備していきました。
しかしながら、最近の民族衣装は、そこまでの時間をかけているものは少なくなり、刺繍はミシン刺繍であったり、刺繍のワッペンを縫い付けているものなどが主流になってきています。
手づくりすることもなく、市場やお店で売られている既製品を一式買ってくることも多くなってきています。

モン(Hmong)族のお正月_まり投げ 織り人(Orijin)

モン(Hmong)族のお正月_まり投げ 織り人(Orijin)

 

モン(Hmong)族の人たちの間には、「歌垣」というものがあり、”まり”を投げ合いながら、お互いが歌の掛け合いをしていきます。
それも、最近ではなかなか見られなくなり、この村では、スピーカーで掛け合いの歌を流したり、歌謡曲などに合わせたりしていました。

こうした古くから伝わる伝統行事も、時代と共に変化したり簡略化されたり・・・。
それでも、今の時代にあっても、”まり投げ”は、老若男女が集まり、みなで一緒に楽しめる、モン(Hmong)族のお正月には欠かせないものとして続いています。

モン(Hmong)族のお正月_まり投げ 織り人(Orijin)""

 

まわりを山々に囲まれた小さなモン(Hmong)族の村のお正月のお祭りは、色鮮やかな民族衣装と日傘が青空に映え、いつもは静かな村が別世界のように見えました。

*写真はすべて筆者撮影(2017年12月23日撮影)
 タイ北部のモン(Hmong)族の村にて。

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